Basic資格試験
改定前の旧テキストを使用した試験の過去問になります。
改定後の新テキストによる認定試験問題についてはこちら
例題1
モチベーションをとらえる3つの手がかりとして正しいものはどれか。
1.方向性 行動持続性 活動性
2.活動性 柔軟性 強弱の変化
3.方向性 行動持続性 強弱の変化
4.行動持続性 柔軟性 活動性
5.行動持続性 強弱の変化 活動性
- 解答 3
モチベーションを理解するうえでは、三つの要因がヒントになります。第一は、モチベーションには方向性があり、必ず何かの対象や目標に向かいます。~第二は、行動持続性です。モチベーションは目標に到着するまで行動を持続させます。~第三は、モチベーションが持続してい課程で強弱の変化があることです。
(テキスト1章P3 1-1)
例題2
目標設定のステップについての説明として不適切なものが2つある。それはどれか。
ア.取り組むべき目的や課題を明確にすることが、目標設定の第一のステップである
イ.不平や混乱を避けるためには、成果や業績の測定方法については開示しない方がよい
ウ.どこまで求められるのか到達レベルを明示することが、モチベーション促進には効果がある
エ. 目標達成までの時間的な範囲を明示することは圧迫感を生みモチベーションの低下を招く
オ. 目標が複数ある場合には、重要度によって順位づけるとよい
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|
ア・オ | イ・エ | ウ・エ | エ・オ | イ・ウ |
- 解答 2
下線が間違いの部分です。
〇ア.取り組むべき目的や課題を明確にすることが、目標設定の第一のステップである
(テキスト 4章P69 ステップ1)
×イ.不平や混乱を避けるためには、成果や業績の測定方法については開示しない方がよい
(テキスト4章 P69ステップ2)→成績や業績がどのように測定されるかを明確にする。
〇ウ.どこまで求められるのか到達レベルを明示することが、モチベーション促進には効果がある
(テキスト4章P69 ステップ3)
×エ. 目標達成までの時間的な範囲を明示することは圧迫感を生みモチベーションの低下を招く
(テキスト4章P69 ステップ4)→時間的な範囲を明確にする。
〇オ. 目標が複数ある場合には、重要度によって順位づけるとよい
(テキスト 4章P69 ステップ5)→時間的な範囲を明確にする。
例題3
自己効力感についての以下の記述の中で、正しくないものが2つある。それはどれか。
ア.さまざまな課題や仕事で自己効力感が強まっていくと、やがて自己効力感の一般化が生じる
イ.成員の自己効力感が加算されたものを集合効力感とよぶ
ウ.自己効力感は、個人の安定的な特性概念であり、営業に対する自己効力感とか英語学習に対する
自己効力感といった個別の自己効力感は、概念として間違っている
エ.自信や自尊心は、自己効力感の類似概念と考えることができる
オ.自己効力感を高めていく上で、スモールステップの原理は有効である
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|
ア・ウ | イ・エ | ウ・オ | イ・ウ | ア・エ |
- 解答 4
・下線が間違いの部分です。
〇ア.さまざまな課題や仕事で自己効力感が強まっていくと、やがて自己効力感の一般化が生じる
(テキスト2章P32(4)その他の効力感概念)
×イ.成員の自己効力感が加算されたものを集合効力感とよぶ
(テキスト2章P32(4)その他の効力感概念)
→集団やチームにおける効力感として、集団状況では個人の効力感の単なる加算以上の力がはたらくことがある
×ウ.自己効力感は、個人の安定的な特性概念であり、営業に対する自己効力感とか英語学習に対する自己効力感といった個別の自己効力感は、概念として間違っている
(テキスト2章P31)
→自己効力感は状況や課題に特定される概念である
〇エ.自信や自尊心は、自己効力感の類似概念と考えることができる
(テキスト2章P33)
〇オ.自己効力感を高めていく上で、スモールステップの原理は有効である
(テキスト2章P33)
例題4
以下の文章は、下記の概念のいずれを説明したものであるか、正しいものはどれか。
失敗する可能性があるときに、前もって自分の弱点や不都合さを主張したり、自ら失敗の可能性を敢えて高めるような状況を作り出す。 |
1.自己成就的予言
2.利己的な帰属のバイアス
3.セルフ・ハンディキャッピング
4.錯誤相関
5.行為者-観察者バイアス
1.自己成就的予言(テキスト7章P132)
2.利己的な帰属のバイアス(テキスト7章P132)
3.セルフ・ハンディキャッピング(テキスト7章P132)
4.錯誤相関(テキスト7章P132)
5.行為者-観察者バイアス(テキスト7章P132)
例題5
以下は、PM理論に関する記述である。[ ]内に入る語句として、適切なものはどれか。
リーダーシップは、[(1)]と[(2)]という二つの側面から捉えることができる。これらの組み合わせで、最も理想的なリーダーシップは[(3)]と呼ばれる
1.(1)構造づくり (2)配慮 (3)pm型
2.(1)構造づくり (2)配慮 (3)PM型
3.(1)課題達成 (2)集団維持 (3)pm型
4.(1)課題達成 (2)集団維持 (3)PM型
5.(1)人間への関心 (2)業績への関心 (3)pm型
PM理論では、リーダーシップを「課題達成(performance)」と「集団維持(maintenance)」という二つの機能からとらえようとしています。~リーダーシップのタイプは集団の生産性やメンバーの影響を与えており、特にPM型が優れていることが示唆されています。
(テキスト5章P86)
例題6
A群には人名が、B群には関係の深い項目が並んでいる。A群とB群の組み合わせとして正しいものはどれか
[A群] | [B群] |
---|---|
A バンデューラ | (1)レスポンデント条件づけ |
B マグレガー | (2)行動変容 |
C パヴロフ | (3)内発的モチベーション |
D レイサム | (4)自己効力感 |
E デシ | (5)欲求系組織理論 |
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
1. | (2) | (1) | (5) | (4) | (3) |
2. | (4) | (5) | (1) | (2) | (3) |
3. | (4) | (1) | (5) | (2) | (3) |
4. | (3) | (2) | (4) | (5) | (1) |
5. | (2) | (5) | (1) | (3) | (4) |
A バンデューラ (4)自己効力感 (テキスト2章P28~P30)
B マグレガー (5)欲求系組織理論(テキスト1章P8)
C パヴロフ (1)レスポンデント条件づけ(テキスト3章P42)
D レイサム (2)行動変容(テキスト3章P46)
E デシ (3)内発的モチベーション テキスト2章P25
例題7
以下の記述について、正しいものに○、間違いに×をつけた場合、正しい答の組み合わせはどれか
ア. 目標面談では、チャレンジを重視するよりも、失敗の危険度が低い堅実性を重視する目標を
推奨することが望ましい
イ. 段階的な成功を評価することは、高いモチベーション喚起にはつながらない
ウ .目標のブレイクダウンは、目標の具体性を高めることに効果をもつ
エ. 下位レベルの目標では具体性が重要であり、上位レベル目標との関係は明示せずともよい
オ. 目標設定理論はロックとレイサムによって提唱された理論である
ア | イ | ウ | エ | オ | |
---|---|---|---|---|---|
1. | ○ | × | ○ | ○ | × |
2. | × | ○ | ○ | × | ○ |
3. | × | × | ○ | ○ | ○ |
4. | ○ | ○ | × | × | × |
5. | × | × | ○ | × | ○ |
×ア. 目標面談では、チャレンジを重視するよりも、失敗の危険度が低い堅実性を重視する目標を推奨することが
望ましい(テキストP64 4章4-1(3))
×イ. 段階的な成功を評価することは、高いモチベーション喚起にはつながらない(テキスト4章P64(4-1(3))
○ウ .目標のブレイクダウンは、目標の具体性を高めることに効果をもつ(テキスト4章4-1(1)P62)
×エ. 下位レベルの目標では具体性が重要であり、上位レベル目標との関係は明示せずともよい
(テキスト4章4-1(1)P62)
○オ. 目標設定理論はロックとレイサムによって提唱された理論である(テキスト4章4-1 P60)
・下線が間違いの部分です
例題8
ハーツバーグの二要因理論に関する記述について間違いが1つある。それはどれか
1.満足と不満足は独立した要因とみなされる
2.周囲からの承認、昇進などの要因は動機づけ要因に含まれる
3.衛生要因には仕事環境に関わるものが含まれる
4.ハーツバーグは、職務充実よりも職務拡大を進めることを強調した
5.衛生要因を充足させてもモチベーションは強まらない
○1.満足と不満足は独立した要因とみなされる(テキストP12 1章1-3(1))
○2.周囲からの承認、昇進などの要因は動機づけ要因に含まれる(テキストP13 1章1-3(1))
○3.衛生要因には仕事環境に関わるものが含まれる(テキストP13 1章1-3(1))
×4.ハーツバーグは、職務充実よりも職務拡大を進めることを強調した(テキストP14 1章1-3(1))
○5.衛生要因を充足させてもモチベーションは強まらない(テキストP13 1章1-3(1))
・下線が間違いの部分です
例題9
バスは、変革型リーダーシップの要件として4つを指摘している。以下の中から、適切とはいえないものを1つ選びなさい。
1.リーダーのようになりたいという同一視を高めること
2.仕事の意義について伝え、意欲を高めること
3.どのように働くべきかについて、事細かに指示すること
4.従来の考え方に対して疑問を抱くように促すこと
5.メンバー一人ひとりに配慮し、手助けや助言を与えること
○1.リーダーのようになりたいという同一視を高めること(テキスト6章P104「理想化による影響」)
○2.仕事の意義について伝え、意欲を高めること(テキスト6章P104「モチベーションの鼓舞」)
×3.どのように働くべきかについて、事細かに指示すること
○4.従来の考え方に対して疑問を抱くように促すこと(テキスト6章P104「知的刺激」)
○5.メンバー一人ひとりに配慮し、手助けや助言を与えること(テキスト6章P105「個別的な配慮」)
例題10
文中の[ ]内に当てはまる言葉の組み合わせとして、正しいものはどれか。
自分に関する情報を言葉で伝える行為を[(1)]という。[(1)]により、ジョハリの窓の[(2)]領域を広げることにつながる。
1.(1)返報性の規範 (2)開放
2.(1)返報性の規範 (2)未知
3.(1)自己開示 (2)開放
4.(1)自己開示 (2)未知
5.(1)以心伝心 (2)未知
テキスト8章P144 (1)親密化をもたらす自己開示
「自分に関する情報を言葉で伝える行為を自己開示といいます。自分が知っている自分自身のことを相手と共有することで、ジョハリの窓(ルフト&イングラム,1955)の開放領域が広がります。」
例題11:実践編
以下のケースを読み、問題に答えよ。
以下は、中堅の証券会社で個人営業を行なっている新人Aさんのコメントである。 「この会社に入ったのは、『お客様と寄り添うパートナーになる』という理念に共感したからでした。仕事で辛いこともありますが、その理念に沿った仕事をしたいという思いは今も薄れていません。 もちろん新入社員ですから、夢や理想を語る前に何としても新規のお客様を獲得し目標を達成することが大切、ということは心得ています。年間の新人賞を獲るという目標も、先輩方から言われており意識はしています。 でも、あまりにも自分のできることが少なくて、最近自信を失ってしまったんです。 そんな私を先輩も気遣って下さって、ご自身が担当しているお客様のところへ一緒に連れて行って下さるんです。私に成功の具体的なイメージを持たせようとしてくれていると思うんですが、正直自信は取り戻せずじまいです。また、職場の他の方々も度々激励の言葉をかけて下さるんですが、気を遣わせてしまっているのが逆に申し訳なくて・・・。 今のままではダメだと思いつつも、自分でもどうしたら良いのか分からないんです・・・。」 |
問題1 上記の悩みを考えるに当たり、最も有効な観点は以下のうちどれか。
- ロック&レイサムの高業績サイクルモデル
- スキナーのオペラント条件づけ
- ハックマンとオルダムの職務特性モデル
- バンデューラの自己効力感
- パヴロフのレスポンデント条件づけ
1. ロック&レイサムの高業績サイクルモデル(テキスト4章P66~P67)
2. スキナーのオペラント条件づけ(テキスト3章P44)
3. ハックマンとオルダムの職務特性モデル(テキスト1章P14~P15)
4. バンデューラの自己効力感(テキスト2章P27~P30)
5. パヴロフのレスポンデント条件づけ(テキスト3章P42~P43)
問題2 Aさんが自信を失ってしまった要因を、1.の理論を用いて整理するとどうなるか。
- 「成功の具体的なイメージを持たせようとしてくれている」という発言より、周囲の「代理的体験」のサポートが仇になっていると考えられるため
- 「職場の他の方々も度々激励の言葉をかけて下さる」という発言より、「言葉による説得」が逆効果として働いていると考えられるため
- 「お客様への対応でミスをして」という発言より、「情緒的な喚起」をうまく行うことができなかったと考えられるため
- 「職場の他の方々も度々激励の言葉をかけて下さる」という発言より、「情緒的な喚起」が逆効果として働いていると考えられるため
- 「お客様への対応でミスをして」という発言より、「直接の成功体験」とは反対の失敗体験により自己効力感が低下してしまったと考えられるため
テキスト2章P29
『反対に、度重なる失敗の体験は「この課題は自分の手に負えない」という自己効力感の低下を招き、チャレンジへのモチベーションも湧いてこなくなります。』
問題3 もしあなたがAさんの上司だとしたら、どのように接すればよいだろうか。
- 年間の新人賞を獲るという目標を意識できていないAさんのスタンスに問題があるため、習慣化の手法における「コミットメント」を活用する。具体的には、部署の全員の前で新人賞を獲ると宣言させることなどが考えられる
- 失敗体験を克服するために「スモールステップの原理」を活用し、段階的な成功体験を積み重ねていく。具体的には、いきなり対面でのやり取りをさせるのではなく、まずは電話でのやり取りを行わせて小さな成功体験を積ませることなどが考えられる
- Aさんは自身の力量不足のように語っているが、実は仕事の魅力を感じられていないことが原因なので、その点に対処する。具体的には、証券会社における個人営業の目的や意義を確認することなどが考えられる
- 年間の新人賞を獲るという目標をAさんがイメージできていないことが問題なので、習慣化の手法における「モニタリング」を活用する。具体的には、どうすれば新人賞が獲れるかを文字や数値によって可視化することなどが考えられる
- 周囲がX理論の考え方でAさんと接することで萎縮してしまったと考えられるため、Y理論の考え方でAさんと接する。具体的には、性悪説的な見方をAさんに対してするのではなく、性善説的な見方をすることなどが考えられる
テキスト2章P33
『小さな成功体験を重ねながら一歩一歩前進していくやり方は、スモールステップの原理として知られています。自己効力感を育て課題達成へのモチベーションを促進するうえでも有効な原理といえます。』
随時問題を追加していく予定です。