~効果的な目標設定~
目標はモチベーションの発動にとってなくてはならないものであり、目標のないところにモチベーションは生まれません。目標設定理論の提唱者であるロック(E. A. Locke)とレイサム(G. P. Latham)は、効果的な目標設定のために7つのステップを紹介しています。
ステップ1.なすべき大まかな目的や課題を明確にする
ステップ2.業績や成果の測定方法を明確にする
ステップ3.達成すべき基準やターゲットを具体的に示す
ステップ4.目標達成までの時間的な範囲を具体的に示す
ステップ5.目標に優先順位をつける
ステップ6.目標の困難度と重要度を明確にする
ステップ7.目標達成に必要な調整を行う
7つのうちステップ6は補助的なステップと位置づけられており、目標が複数あってそれを数値化することが望ましい場合に用います。以下のような例で考えてみます。
目標 重要度 × 目標困難度 × 目標達成度 = 積 | ||||
---|---|---|---|---|
A
|
10(※)
|
8
|
.90
|
72.00
|
B
|
7
|
5
|
1.00
|
35.00
|
C
|
4
|
10
|
.50
|
20.00
|
D
|
1
|
6
|
.80
|
4.80
|
総合成績得点 131.80
|
※10が最も重要または困難
(ロック&レイサム/松井・角山訳「目標が人を動かす」ダイヤモンド社より)
この例では、目標達成度をすべて1とすれば、取り得る最高点は161点となり、現在の総合成績が131.8点なので、8割強の達成率ということになります。もちろん、実際の評価はそれほど単純なものではありませんが、目標の困難度と達成度が考慮されていることが一つのポイントです。つまり、困難度が低く容易に達成できる目標では、目標達成度が高くとも成績は高くならないということです。同じく、重要度の低い目標では達成度が高くとも成績は高くなりません。
目標が複数ある場合には、それぞれの目標を的確に評価し力の配分を考えることが、高い業績につながるということです。